日置桜H20BY小仕込純米「穿(うがつ)」(試験醸造限定品)
 山根酒造場 鳥取県

●軽いが筋が通っている
 玉栄55%、9号酵母Alc.15.6%、日本酒度+7.0、酸度1.8
 中果皮のついた状態のネーブルの香り、後にコンデンスミルクの香りが上がりだす。フルーツの乗った生クリームのようでもある。初めの一口では瑞々しさがあり、かつ柔らかさを持つ甘味が広がる。そして次には、微かな渋みとチリチリとした感覚の酸が舌を少々刺激する。フレッシュさが残り、喉の渇きをいやしてくれそうである。ひたすら軽いのだが、一本筋の通った酸味も感じられる。
(お燗) 40度、旨味、甘味のバランスは良いが、少しアルコールが舌の上を走るような感覚がある。50度、甘味が凝縮して感じられるがさばけは良い。酸味が舌の上を走る。60度、甘味、旨味、酸味が一体化する。ふくらみもあり、切れもよい。

◆「穿」について・・・穴を開ける、掘るという意味合いから、進化の願いを込めてつけられた。この名前は、試験醸造した製品を一部商品化した場合に限って用いられる。
 このH20BYの穿は、1200kgだった仕込みを700kgという小仕込にしたという点と、玉栄を60%ではなく55%にしたという点に新たな試みがある。
 1800ml 2730