睡龍H16BY生もとのどぶ秋火入れ
    久保本家酒造 奈良県

●結論「にごり」の燗が旨い。
 山田錦アキツホ65%、日本酒度+8
〈上澄み〉
 上槽前のモロミの香り。“乳酸系の香り”と米の旨味が手にとるようにわかる香り。お腹空いてきますよ、この香り。
 槽口から流れ出たような味。かと言って荒々しくなく穏やかな舌触り。しぼりたて生酒のような味がする。
〈上澄み燗〉焼餅のような香りに変化。おまけに黒糖でもつけて食べる時のような香りもする。味わいには若干物足らないような感じがある、、、これは「酒単独で飲むんじゃない!食中に飲めよ」って酒が文句を言っているようにも感じる。
〈にごり〉上澄みのような香りは低くなる。乳酸系という言葉ではなくはっきりとヨーグルト(加糖したもの)の香りといえるだろう。
 上澄みで物足らなかった部分をにごり成分が補足している。とても柔らかく滑らか。唾液と混ざれば混ざり合うほど旨さを感じるので噛んで飲んでみてはどうでしょうか。
 旨いワインと同様、酸味がやはり食べ物を求めてくる。(少々塩分の強いものでも大丈夫そうです)
〈にごり燗〉焼餅の香りもあるがプラスミルクの香り。そこに少しだけ乳酸系の香りが参戦する。
 これりゃうめぇ!旨味、酸、甘味、渋味などそれぞれが主張するものの一体となって感じられる。
 少し温度が下がると、旨味のトーンが下がるので、湯燗徳利などで温度が下がらないように工夫して飲んだほうが良いでしょう。ただし、燗冷ましは二番目に旨い事を付け加えておく。
 1750ml 2800